銀行員は課長までに資格を何個取る?一般的な目安と優先順位を解説

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銀行員として働いていると、入行後から継続的に資格取得を求められます。業務で必要な資格、昇格要件として求められる資格、配属先によって追加される資格を積み上げると、課長クラスまでに相当な数になります。

この記事では、銀行員が課長クラスまでに取得する資格の一般的な目安を整理します。銀行や部門によって昇格要件は異なるため、特定の銀行の公式要件ではなく、メガバンク・地銀・信託銀行などに共通しやすい一般論として解説します。

銀行員が課長までに取る資格は10〜15個前後が目安

銀行員が課長クラスまでに取得する資格は、一般的には10〜15個前後になることが多いです。

もちろん、全ての銀行で同じ数が求められるわけではありません。銀行の規模、配属部門、個人営業か法人営業か、本部勤務か支店勤務かによって、必要な資格は変わります。昇格要件として明文化されている資格もあれば、明文化はされていなくても取得していることが前提のように扱われる資格もあります。

大切なのは、資格をただ数えることではありません。業務上必要な資格、昇格で評価されやすい資格、将来の転職にも活きる資格を分けて考えることです。すべてを同じ優先度で取ろうとすると、勉強時間だけが増えてしまいます。

銀行員の資格取得ロードマップ

まずは、銀行員が課長クラスまでに取得しやすい資格の全体像を整理します。

フェーズ主な資格目安の個数
業務上必要になりやすい資格証券外務員、生命保険募集人、損害保険募集人など3〜5個
若手〜主任前後で求められやすい資格銀行業務検定3級、FP3級、コンプライアンス系資格など4〜6個
主任〜係長前後で求められやすい資格銀行業務検定2級、FP2級、ITパスポートなど3〜5個
課長昇格や専門性で評価されやすい資格宅建士、証券アナリスト、FP1級、中小企業診断士など1〜2個

このように分けると、合計で10〜15個前後になります。個人営業が長い人は保険・証券系が増えやすく、法人営業が長い人は財務・法務・融資関連の資格が重視されやすいです。本部や企画部門では、IT・データ・会計系の資格が評価されるケースもあります。

銀行員の資格は業務資格と昇格資格に分かれる

銀行員が取得する資格は、大きく業務で必要な資格と、昇格や評価で必要になりやすい資格に分かれます。

業務資格は、その資格や登録がなければ特定の商品を販売・勧誘できないものです。たとえば、投資信託や保険商品を扱う場合、証券外務員や生命保険募集人などの資格・登録が関係します。

一方で、昇格資格は、管理職になるための基礎知識や専門性を示すものです。銀行業務検定、FP、コンプライアンス系資格、IT系資格などがこれにあたります。実務で毎日使うとは限りませんが、昇格審査や人事評価の中で見られやすい資格です。

業務上必要になりやすい資格

銀行員が最初に取得しやすいのは、実務に直結する資格です。

特に個人営業やリテール業務では、投資信託、生命保険、損害保険などを扱うため、配属後の早い段階で資格取得を求められます。これらは出世のためというより、仕事をするために必要な入口の資格です。

証券外務員

証券外務員は、投資信託や債券などの金融商品を取り扱ううえで関係する資格です。

銀行員の場合、個人営業や窓口で投資信託などを扱う部署に配属されると、取得を求められやすい資格です。資格そのものと、実際に販売・勧誘業務を行うための所属先を通じた登録は分けて理解しておく必要があります。

一種と二種がありますが、銀行では一種まで取得を求められるケースもあります。最初から一種を目指すか、二種から段階的に進むかは、所属先の方針に従うのが基本です。

生命保険募集人

生命保険募集人は、生命保険を扱うために必要になる資格・登録です。

銀行では、個人営業や資産運用相談の中で保険商品を提案する場面があります。そのため、生命保険一般課程から始まり、担当業務によって専門課程、変額保険販売資格、外貨建保険販売資格などに進むケースがあります。

一般課程に合格しただけで、すべての保険商品を扱えるわけではありません。扱う商品によって追加の資格や登録が必要になるため、保険系資格は段階的に取得していくものと考えると分かりやすいです。

関連:生命保険一般課程の合格点は何点?

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損害保険募集人

損害保険募集人は、火災保険や自動車保険などの損害保険を扱うために関係する資格です。

銀行員の場合、住宅ローン担当者が火災保険の案内に関わるケースがあります。生命保険や証券外務員と比べると、配属先によって必要度に差が出やすい資格です。

難易度は高すぎる資格ではありませんが、業務に必要な場合は早めに取得を求められます。住宅ローンや個人営業に関わる人は、生命保険系とあわせて整理しておくとよいです。

若手〜主任前後で求められやすい資格

若手から主任前後では、銀行業務の基礎知識を広く身につける資格が中心になります。

この時期は、業務上の資格取得と並行して、昇格要件になる資格を少しずつ積み上げる時期です。配属直後は目の前の仕事で忙しくなりやすいですが、ここで後回しにすると、昇格前にまとめて勉強することになります。

銀行業務検定3級

銀行業務検定3級は、銀行員が日常業務で使う知識を幅広く確認する資格です。

代表的なものとして、財務3級、法務3級、税務3級などがあります。法人営業なら財務、融資や審査なら法務、個人営業なら税務やFPとの相性がよいです。

3級は基礎資格として扱われやすく、若手のうちに複数取得するケースがあります。すべてを一度に取る必要はありませんが、自分の配属や昇格要件に合わせて計画的に進めることが大切です。

FP3級

FP3級は、個人のお金に関する基礎知識を学べる資格です。

銀行員にとっては、保険、年金、税金、相続、不動産、資産運用を広く学べるため、個人営業や窓口業務との相性がよい資格です。顧客との会話でも使いやすく、若手のうちに取っておくと後のFP2級にもつながります。

ただし、FP3級だけで転職市場で大きく評価されるわけではありません。銀行内での基礎固め、顧客対応の土台、次の資格への入口として考えるのが現実的です。

コンプライアンス系資格

金融機関では、法令遵守や不祥事防止に関する知識も重視されます。具体的な資格で言うと、金融コンプライアンスオフィサーや内部管理責任者になります。

コンプライアンス系資格は、営業成績に直結する資格ではありません。しかし、金融商品を扱う以上、法令違反や説明不足は大きな問題になります。若手のうちからコンプライアンスの基本を押さえておくことは、管理職を目指すうえでも重要です。

昇格要件としてコンプライアンス系資格が設定されている銀行もあります。自分の銀行でどの資格が必要かは、社内の昇格要件を確認してください。

主任〜係長前後で求められやすい資格

主任から係長前後になると、基礎資格だけではなく、より実務に近い上位資格が求められやすくなります。

この時期は、単に資格を取るだけでなく、担当業務にどう活かすかも見られやすくなります。法人営業なら財務や法務、個人営業ならFPや保険、企画系ならITやデータ関連の資格が評価されやすいです。

銀行業務検定2級

銀行業務検定2級は、3級よりも実務寄りの知識が問われます。

財務2級、法務2級、税務2級などは、銀行員の昇格要件として見られることがあります。3級と比べると難易度が上がるため、業務の繁忙期と重なると負担になりやすい資格です。

昇格直前にまとめて取ろうとすると大変なので、主任クラスのうちから計画的に進めておくと後が楽になります。どの2級を優先するかは、担当業務と昇格要件の両方で判断しましょう。

FP2級

FP2級は、個人営業や資産相談に関わる銀行員にとって使いやすい資格です。

保険、年金、相続、税金、不動産、資産運用を横断的に学べるため、顧客対応の幅が広がります。銀行内でも、FP3級より一段上の知識を示す材料として見られやすいです。

転職市場でも、FP2級は金融業界や保険・不動産業界で一定の説明材料になります。ただし、資格単体で評価が決まるわけではなく、実際の営業経験や顧客対応経験とセットで見られると考えるのが現実的です。

ITパスポートなどのIT系資格

近年は、銀行員にもITリテラシーが求められる場面が増えています。

ITパスポートは、IT、セキュリティ、経営、システムの基礎を広く学べる資格です。銀行ではDX、業務効率化、システム更改、データ活用などの文脈で、ITの基本を理解していることが評価されやすくなっています。

ただし、すべての銀行で必須と断定するのは言い過ぎです。一般論としては、今後の銀行員にとってIT系資格の重要性は高まりやすい、と捉えるのが安全です。

課長昇格や専門性で評価されやすい資格

課長クラスを目指す段階では、基礎資格に加えて、専門性を示す資格が評価されやすくなります。

ただし、ここも銀行によって差があります。宅建士が評価されやすい銀行もあれば、証券アナリスト、FP1級、中小企業診断士、IT系資格などが評価されるケースもあります。自分の配属や将来のキャリアに合わせて選ぶことが重要です。

宅建士

宅建士は、不動産担保、住宅ローン、不動産業界との関係がある銀行員にとって相性のよい資格です。

銀行員が不動産会社に転職する場合にも、宅建士は評価材料になりやすいです。住宅ローン、不動産担保、相続、不動産活用などの知識ともつながるため、銀行内外で使いやすい資格といえます。

一方で、すべての銀行員に必須というわけではありません。個人営業、住宅ローン、不動産関連部署、将来の不動産業界への転職を考えている人に向いています。

証券アナリスト

証券アナリストは、マーケットや企業分析に関心がある銀行員に向いています。

市場部門、運用部門、法人営業、投資商品に関わる業務では、財務分析や資本市場の理解が役立つ場面があります。難易度は高めで、短期間で簡単に取れる資格ではありません。

銀行内での評価だけでなく、証券会社、運用会社、コンサル、M&A関連などへのキャリアを考える場合にも、専門性を示す材料になりやすいです。

FP1級・中小企業診断士

FP1級や中小企業診断士は、より高い専門性を示す資格です。

FP1級は個人向けの資産相談、相続、保険、不動産、税務に強みを持ちたい人に向いています。中小企業診断士は、法人営業、事業承継、中小企業支援、コンサル寄りのキャリアを考える人に向いています。

どちらも簡単な資格ではないため、銀行内の昇格だけを目的にするより、将来のキャリアにも使う前提で選ぶ方が納得感があります。

銀行員が資格取得に使う勉強時間の目安

銀行員が課長クラスまでに取得する資格の勉強時間は、合計で数百時間になることがあります。

たとえば、業務上必要な資格や3級系資格は短期間で合格できるものもあります。一方で、銀行業務検定2級、FP2級、宅建士、証券アナリストなどを含めると、1つの資格だけで数十時間から数百時間かかることもあります。

10〜15個前後の資格を積み上げると、合計300時間以上になるケースもあります。仕事をしながら勉強することになるため、繁忙期にまとめて取るより、若手のうちから少しずつ進める方が現実的です。

課長より上を目指すと資格だけでは足りない

課長クラスより上を目指す場合、資格の数だけでは評価されにくくなります。

課長、次長、支店長、本部管理職へ進むほど、営業実績、部下育成、マネジメント力、トラブル対応力、行内での信頼が重要になります。資格は昇格の土台にはなりますが、資格をたくさん取れば自動的に出世できるわけではありません。

銀行員にとって資格は、必要条件に近いものです。ただし、十分条件ではありません。課長以上を目指すなら、資格取得と並行して、実績や評価者との信頼関係も意識する必要があります。

銀行員が資格取得と転職を並行して考えるべき理由

銀行員として資格を取るなら、銀行内の昇格だけでなく、将来の転職にも活きるかを考えておくとよいです。

銀行業務検定は銀行内では評価されやすい一方、転職市場では説明が必要になることがあります。反対に、FP2級、宅建士、証券アナリスト、IT系資格などは、銀行以外の金融・不動産・コンサル・事業会社でも説明しやすい資格です。

転職するかどうか決まっていなくても、自分の資格や経験が外部でどう評価されるかを知っておくことは大切です。求人の母数を確認するならリクルートエージェント、若手でキャリアの方向性から考えたいならASSIGN、自分の市場価値やスカウトの反応を確認したいならビズリーチが候補になります。

よくある質問

銀行員の資格取得について、よくある疑問を整理します。

銀行員は資格を何個取れば出世できますか

一般的には、課長クラスまでに10〜15個前後の資格を取得するケースがあります。

ただし、銀行や部門によって必要な資格は異なります。資格の数だけで出世が決まるわけではなく、営業実績、評価、マネジメント力、配属先での成果も重要です。

銀行員が最初に取る資格は何ですか

最初に取得しやすいのは、証券外務員、生命保険募集人、損害保険募集人などの業務資格です。

個人営業や窓口業務では、金融商品や保険商品を扱うために必要になることがあります。実際の順番は配属先や社内方針によって変わります。

銀行業務検定は転職で評価されますか

銀行業務検定は、銀行内では評価されやすい資格です。

一方で、銀行外への転職では、資格名だけで強く評価されるとは限りません。財務、法務、税務などの知識を実務でどう使ったかまで説明できると、評価材料になりやすいです。

課長になるには難関資格が必要ですか

銀行によっては、課長昇格前後で難関資格や上位資格が評価されるケースがあります。

宅建士、証券アナリスト、FP1級、中小企業診断士などが候補になります。ただし、どの資格が必要かは銀行や部門によって異なるため、社内の昇格要件を確認してください。

資格を取るなら銀行内評価と転職のどちらを優先すべきですか

若手のうちは、まず銀行内で必要な資格を優先するのが現実的です。

そのうえで、FP2級、宅建士、証券アナリスト、IT系資格など、転職市場でも説明しやすい資格を選ぶと、将来の選択肢を広げやすくなります。

まとめ

銀行員が課長クラスまでに取得する資格は、一般的には10〜15個前後が目安です。

業務上必要になりやすい証券外務員、生命保険募集人、損害保険募集人に加え、銀行業務検定、FP、コンプライアンス系資格、IT系資格、宅建士や証券アナリストなどの専門資格を積み上げると、そのくらいの数になります。

ただし、資格の数だけで出世が決まるわけではありません。銀行内で昇格を目指すなら、資格取得に加えて、営業実績、マネジメント力、行内評価も重要です。将来の転職も視野に入れるなら、銀行内だけで評価される資格と、外部でも説明しやすい資格を分けて考えることをおすすめします。

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