銀行員は日常的に金融マーケットの勉強、新商品の勉強など日々勉強する機会が多いです。
加えて出世していく上で避けて通れないものがあります。
それは、資格取得です。
今回は銀行員は課長まで出世するのに必要な資格は何個以上で、なぜ必要なのか、どのくらい勉強時間が必要か、に関して記載していきます。
*お時間のない方へ・・・銀行員が出世のために資格がたくさん必要になるらしいけど、資格を取らずにすむ方法ってないの?って思った方はぼくが銀行から フィンテック企業へ転職した記事をご覧ください。ぼく自身、銀行員で取得必須と自己研鑽含め15個以上資格を取得しました。今は資格取得の日々からは完全に開放され楽しく仕事に打ち込めています。
目次
銀行員が取得する必要になる資格の種別
銀行員に資格が必要なことの大前提として
- 業務上とらざるを得ない資格
- 昇進上とらざるを得ない資格
この2パターンがあります。
業務上とらざるを得ない資格
業務上とらざるを得ないパターンの資格に限って言うと、実はたったの3つだけの資格になります。具体的にはこちらです。
- 証券外務員
- 生命保険募集人
- 損害保険募集人
証券外務員
証券外務員資格は投資信託などの運用商品の販売に必要な資格です。
信託銀行員だけでなく、その他メガバンク、地銀、信金の友人もみんな持っている資格でした。
これがないと個人向けに運用商品の販売できないので、新人であっても不合格は許されないマストな資格です。
証券外務員試験は1種と2種があり、難しいのは1種の方です。
ぼくの場合は2種を受けたあとに1種を受けましたが、いきなり1種に挑戦することも可能です。
1種を取れば、2種の合格も内包されるので正直1種だけ受けて1発合格を狙うのが良いと思います。
生命保険募集人
生命保険募集人の資格は要は生命保険の販売に必要な資格です。
こちらも個人営業担当の方には必須の資格です。
えっ銀行員なのに保険の販売?なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、保険は販売時の手数料(フロー収益)、販売後の手数料(ストック収益)があり銀行の収益上の効きがかなり大きい商品になります。
生命保険募集人に関しては一般課程と専門課程に分けられます。
- 一般課程は、ざっくりいうと円の終身保険が販売できる
- 専門課程は、ざっくりいうと複雑な変額保険の販売ができる。
まずは一般課程の試験に合格が必要です。
その後、専門課程に進みます。
専門課程まで無いと、銀行が販売推進したい変額保険、平準払保険の販売ができないので営業担当者の方はここまで取るのが必須です。
無いとかなり肩身が狭いです。
落ちたら支店長室に呼び出されて叱責されるレベルです、ガチ目に怒られます。
損害保険募集人
損害保険募集人の資格は損害保険の販売に必要な資格です。
住宅ローン担当者の方は必須になります。
住宅ローンの提案とともに、火災保険の案内なども必要になるのでその際に活きてくる資格になります。
ぼく自身はこの資格を活用して損保をめちゃめちゃ販売した経験は無いのでこれまでにしたいと思います。
出世上とらざるを得ない資格
今記載した3つの資格が、銀行員が個人向け営業を行う上で必須といえると思いますが、出世のために必須の資格がこの倍以上あるのが現実です。
銀行員の出世に必要な資格一覧
銀行員にとって必要な資格は、業務とらざるを得ない資格と昇進上とらざるを得ない資格に分かれますが、ここからは出世上必要な資格になります。
また今回出世するために必須の資格はあくまで課長レベルで必要な資格になります。
資格の一覧は下記通りです。(リンクは資格別の難易度や勉強方法に関して解説した記事に飛びます。)
業務上使う資格ばかりなので必須です。
この5つのうち、信託実務は必須で他いずれか2つが必須
この6つのうち、証券アナリスト基礎講座は業務上取るのでこれ以外に2つ必須
ここまで取って課長の手前までは出世するのに要件クリア
- 宅地建物取引主任士
- 不動産鑑定士
- 証券アナリスト
- FP1級
- アクチュアリー
- ITストラテジスト
課長まで上がるにはこの6つの中から1つが必須
以上、フルに取ろうと思ったら25個ありました。25個・・・
そのうち、課長まで出世するに必要な資格数は15個です。
課長レベルまでは資格をきちんと取っていること、また大きなミスをしていないことがあれば遅くとも40歳前後でなれるようです。
なお、課長の給料は額面だいたい1,200~1,300万円前後です。
信託銀行の資格一覧
信託銀行員にとっても業務上で必要な資格と昇格上で必要な資格は上記の物で網羅できています。
課長まで出世するのに必要な資格としては新卒から3年もあればすべて取得することもできるのでなるべく早め早めの準備が必要です。
資格がなくともある程度の役職までは出世ができますが、当然役職が上がればその分業務の負担が大きくなるので資格勉強をしている暇が無くなってきます。
2022年に入り銀行員もIT系の資格の必要性が増している
選択で取得すべき資格の中にITパスポートがこれまではありましたが、このITパスポートはITに関する基礎的な知識を身に付けるには良い資格のため必須になりつつあります。
その他にも、MOS(マイクロソフト オフィススペシャリスト)一般レベルや、MOS上級レベル、AWS認定、基本情報技術士など今の職務レベルに応じて必要になってくるようです。
IT関連の知識こそ若手から持っていて損はないので、少しでも興味を持った場合には先を見越し手取得しておいても良さそうです。
資格取得に使っていた時間
以上が銀行員が業務上必要な資格と、出世するために必要な資格一覧です。
もちろん、自分の自己研鑽で別の資格を取る選択肢もあります。
資格取得をするためには時間として
- 取得のための勉強時間
- 試験時間
2つの時間の使い方があります。
課長まで出世するために必要な資格取得に費やした時間は少なくとも300時間で、日数に直すと丸12日以上です。
証券アナリストを取ろうと2次まで受けてた時間含めると400時間以上です。
300、400時間あれば結構なんでもできそうな時間ですね。
例えば1からプログラミングを始めてみるとか、Webマーケの勉強をやってみるとか、ブログしてみるとか。
銀行員にとって資格取得は必須ですが、銀行員以外の道を行くのかどうかの見極めは随時していく方がいいかもしれません。
資格取得のための集中力持続のアイテム
資格取得のために使った時間は少なくとも400時間以上使ってきたわけですが、資格取得のために集中力を持続させるためにいくつかアイテムを使っていました。
具体的にはこちらです。
- ドトールコーヒー ドリップコーヒー オリジナルブレンド
- モンスター エナジー(緑)
カフェインで乗り越えていた銀行員時代
要は、カフェインで試験勉強のカンフル剤として乗り越えていました。
そのためのコーヒーと、エナジードリンクは勉強に必須でしたね。
今も愛飲料しているこの2つ。
ドトールのコーヒーについては、お店で飲むと1杯約300円くらいしますが、こちらだと1杯約22円で約93%オフで飲めます。
しかも好きなタイミングで在庫があるだけ飲めるのはありがたいですよね。
モンスターエナジーについては、コンビニで買うこともしばしば。
これも自宅に常備あることでなんというか安心感というか、いつでもギア入れて勉強できるぜ、という気持ちにもっていってくれます。
コンビニや自販機で買うよりも、約10%オフで大量に買えるのもよくて箱買いしていました。
資格試験を乗り越えるためには、自分の勉強がしやすい環境整備が大事です。
資格試験合格の投資としていつも上記2つを愛飲していました。
銀行員で出世していくには資格は必須なので捨てきれない
ぼく自身はいつか銀行から転職すると思っていましたが、転職しない場合、銀行内の出世に資格取得は必須なので取らざるを得なかった感じです。
とはいえ、時間換算すると何百時間も使うので効率よく将来に使える資格を取りたいですよね。
資格を取るにしても将来を見据えての資格取得を計画的に行っていくといいと思います。
上記資格でいうと、具体的にはFP、宅建士あたりはあると転職にも効くのでお勧めです。
なお、ぼくは宅建は2回落ちていますし、宅建の代わりに取ろうと思っていた証券アナリスト試験は2次試験までいって2回落ちて断念しています。
宅建独学の記事>>宅建に2度落ちた銀行員が3度目で合格した直前勉強方法とは?|王道はテキスト利用、加えてネットの力をつかうべし
宅建難易度に関する記事>>宅地建物取引士(宅建士)の難易度ってどのくらい?年20万人が受ける人気資格かつ難しい
宅建と証券アナリスト資格には本当に銀行員時代は悩まされましたし、まして証券アナリストは取得まで至らなかったのでどのタイミングで損切すべきかとかは参考になると思います。
証券アナリストの記事>>【体験談】銀行員の時に取りたかった資格を諦めた話【証券アナリスト資格】
銀行員で資格を取っても出世は熾烈
銀行員の出世争いに関して記載しますが、銀行員の出世争いは大変です。
今回の資格で出世できるのはあくまで課長レベルを前提にしています。
課長より上の次長、そして支店長以上のレベルになると相当な実績とコネが必要になってきます。
ぼくのいた信託銀行の支店は約150店舗ありました。支店長まで行こうと思うと、 裏を返すと支店長になれるのは150名ほどということになります。
行員数が約14,000名いますから、上位1%ですね。
厳密にいうと、個人以外の法人部門まで広げるとそこの部長が支店長クラスになります。
もっというと役員まで含めれば支店長以上のポストに行けるのは上位1.5~2%くらいでしょうか。
パイは広がりそうですがそれでもかなり大変です。
資格をたくさん取っても銀行員を辞めると使わない資格が多いのも事実
今回は銀行員が課長まで出世するのに必要な資格として記事をお届けしていますが、主題の通り銀行員として勤めていき、課長まで出世することが前提になっています。
要は、途中で銀行から転職するのであれば銀行員時代に取得した資格を活かすことはほとんどなくなります。
銀行員の資格取得はバランスを取る
元々銀行員で資格も15個以上取ってきましたが、銀行員でいると資格を取る呪縛から逃げるのは本当に難しいのはよくわかります。
結果的に諦めることになった証券アナリスト資格もそうですが、資格取得=やってる感、がどうしてもあります。
業務上必要な資格は必須で取りつつ、後は習得していれば有利になりそうな資格だけ取得していくのがいい気がします。
後はそもそも銀行を辞めることも前提であれば転職活動を早めに行っておくのも一つです。
ぼく自身は新卒2年目の夏から転職活動を意識して活動していました。
フィンテックスタートアップのMFSに転職してみて、銀行で働くだけが人生でないと痛烈に感じます。
なお、MFSは住宅ローンを軸としてフィンテック企業のため唯一必要となった資格が、貸金業務取扱主任者です。
貸金業務取扱主任者だけはMFSに入社してから取得をしましたが、これ自体も貸金業として独立するために使える資格なので取得して良かったと思っています。
資格を活かした転職活動
銀行員でなくなるとそもそも資格取得の文化が無くなりますが、転職にあたって取得した資格を活かそうと思えば可能です。
具体的には、FP取得していれば別の金融業界にも転職できます。
宅建士を持っていれば不動産会社に転職はしやすいですし、特に Re-tech企業であれば銀行員ではあまり触れなかったテクノロジーに触れる機会にも恵まれます。
もちろん近い業界であればFintech企業に転職するのも銀行員で身に付けた金融に関するスキルを活かしてスキルアップもキャリアアップも狙えそうです。
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ぼくの場合は転職するしない関わらず2年目からリクルートエージェントを利用しました。 同期や後輩が利用をして担当者が親身だったというのがdodaです。
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参考>>マイナビエージェントの金融専門チームって?金融機関出身者でキャリアップしたいなら利用価値あり
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参考>>リクルートエージェントが実際に使ってみて推しだったので評判を書いときます|結局はエージェントとの相性による点は注意です
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資格を取ったうえで、実際に自分が転職する方がいいのか、客観的にアドバイスをもらう先として気軽に相談してみるといいと思います。登録だけしていても、スカウトや紹介がきたりするので便利です。
まとめ 銀行員は資格取得に忙殺される
今回は銀行員は課長まで出世するのに必要な資格は何個以上で、なぜ必要なのか、どのくらい勉強時間が必要か、に関して記載しました。
銀行員で出世をしていきたいのか、それともあくまで銀行員のキャリアは一つの選択肢で今後は転職も見据えているのであれば時間の使い方を注意しておくといいでしょう。
この記事が少しでも銀行員の方、これから銀行員を目指す方にとっての資格取得に関して参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
資格取得を頑張った銀行員が使っておきたい転職エージェント
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参考>>銀行員からの転職は難しい?年齢が後半になると傾向あり
参考>>20代で転職するのに資格は必要?