新卒でどこの業界のどの会社に入るかは大学生にとっては最も大きい意思決定の一つではないでしょうか。
ぼく自身は新卒のタイミングでは大手の信託銀行に就職し3年半ほど勤務して今は株式会社MFSというフィンテックスタートアップに転職しました。
今回は、もし新卒に戻ったとして再度銀行に就職するかどうか、に関して記事をお届けします。
これから銀行に就職しようと思っている人はもちろん、今すでに銀行に入社している人も参考になると思います。
目次
新卒に戻ったとして銀行に再度就職するかどうか
結論から記載しますと、銀行には再度就職はしないです。
銀行にいた3年半で経験したことは今の社会人の基礎に貢献してくれていますし、銀行をけなしているわけでなく自分が新卒の時に受けていた銀行と2020年現在では状況があまりにも変わりました。
銀行それぞれが悪いというわけでなく、状況が変わっていることを考えると再度就職することはないと言い切ります。
新卒に戻ったとして銀行に再度就職しない理由
銀行に再度就職しない理由は下記にあります。
- 慎重に判断するゆえに動きが緩やか
- 資格取得が多すぎる
- ITスキルが身につきにくい
- 業界として伸びにくくなっている
ぼくが就職したのが2014年のタイミングなので6年経ちましたが6年も経つと色々業界も大きく変わっています。
慎重に判断するゆえに動きが緩やか
銀行員の人は良くお分かりだと思いますが、意思決定は緩やかなので抜本的に変わることは少ないです。
ただ、最近はコロナウイルスの影響によって変わりつつあるようです。
例えば一部リモートワークの導入であったり時差出勤、支店もお昼休憩では支店を閉めるなど変わりつつあります。
関西の地方銀行が相次いで昼休みを導入して営業時間を短縮している。新型コロナウイルスの感染防止策の一環として、各行は顧客や行員との接触を減らすため交代勤務制を導入。昼休みを導入し、通常より少ない人員で店舗を運営できるようにする。
日本経済新聞: 関西地銀、昼休み導入で営業短縮 コロナ対策
働き方もしかりですし、営業の方法も対面から非対面の方法も徐々には取り入れられてきています。
とはいえ意思決定は緩やかなので今のように世界中が震撼している中ほとんど変わらずに出勤したりしないといけない状況には変わりません。
資格取得が多すぎる
銀行員が業務上必要な資格、出世するため必要な資格、合わせていくら必要だと思いますか。
答えは、10個以上必要になります。
もちろん銀行によりけりではありますが、資格取得はあくまで何かを成し遂げるためのツールと考えた時に出世の為に取る資格が多いです。
銀行業務検定など、まさに銀行員だけの資格で辞めると本当に活せなくなります。
ITスキルが身につきにくい
ITスキルは銀行員の人は高くないです。
理由は明確で、ITスキルに関心の高い人は支店には少ないですし本部に行ったからといって明るい人も少ないです。
具体的なITスキルを上げると、プログラミング、Webマーケティング、Webライティング、動画編集、などなどあります。
今後何をやるにもあえてネットを使わない選択肢はないので仕事を通じて経験をできる方が今後生きていく上では必要でしょう。
業界として伸びにくくなっている
最後に業界として伸びにくくなっているという点は、2016年からマイナス金利導入に伴い本業での収益を上げにくくなっています。
本業での収益とは貸し付けです。
金利が取りにくいため貸し付けても儲かりにくく、結果他のサービスを利用してもらうことで収益を伸ばしていくことになります。
もちろん別サービスを利用してもらうことは大事ですが、本業の収益が上げにくくなっているのは業界としては厳しいことには変わりないです。
結果、メガバンク3行も2017年時点で大規模なリストラも発表しています。
みずほフィナンシャルグループ(FG)など3メガバンクが大規模な構造改革に乗り出す。デジタル技術による効率化などにより、単純合算で3.2万人分に上る業務量を減らす。日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため。数千人単位で新卒を大量採用し、全国各地の店舗に配置する従来のモデルも転換を迫られる。
日本経済新聞:3銀行大リストラ時代 3.2万人分業務削減へ
新卒でいくならどこに行く
新卒で銀行に行かないとすると君は結局どこにするのか、と質問をされたのであればぼくはフィンテック企業に行きます。
理由は、銀行に行かない理由に挙げたことの逆を実現できるからです。
- 慎重に判断するゆえに動きが緩やか→意思決定が早い
- 資格取得が多すぎる→全くない
- ITスキルが身につきにくい→身に付く
- 業界として伸びにくくなっている→伸びしろがある
今ぼく自身は非上場のフィンテックスタートアップベンチャーにいますが、実現できています。
後はシンプルに働いていて楽しいですね。
会社にもよるだろと言われそうですが、今の会社もいい時悪い時をそれなりに経験したうえでも楽しいと言い切れます。
これから銀行に就職すると良い人
銀行に就職することが全てダメではもちろんなく、就職すると良い人もいます。
具体的にはこちらです。
- 銀行融資業務を経験したい
- 地銀であれば、金融を通じて地域の貢献をしたい
銀行ならでは業務を心からやってみたい人にとっては銀行に就職するしか経験できないです。
一方で、銀行の仕事以外の点にバリューを考えているのであれば一度立ち止まってもいいかもしれません。
例えば、銀行は大手で何となく安定してそう、リストラの発表もあったけどとはいえ大丈夫だろ、30代になれば年収1,000万円はメガバンク総合職なら堅いだろう、福利厚生もしっかりしているだろう、といったところです。
すでに銀行に就職している人
銀行にすでに就職していて今の仕事内容、仕事環境、処遇に不満なければ最高です。
中には、まだ仕事内容に満足していないとか環境も悪いので変えたい(リモートワークがしたいとか)とか色々思いはあると思います。
もし銀行に就職している人が今の現状を変えるために取れる方法は大きく2つです。
- 社内で希望の異動ができるように行動する
- 社外に出るための準備をする
少しでも現状を変えたいなと思っているのであれば少々行動が必要になります。
社内で希望の異動ができるように行動する
元々銀行に就職した時に、この業務をやりたいと思っていたのに実現できていない人、現状激務すぎてきついと思っている人、希望通りにいっていない理由は様々ある中で、異動したいと声を上げることをしてみてはどうでしょうか。
ぼくは2年目の夏に異動願いをしたことがあります。
その時は却下されましたが、異動願いを出すということはその瞬間真剣に銀行内のキャリアを考えることになります。
異動願いを出すタイミングは大きくは夏と冬の年2回です。
期限付きでそれに向けて動くのであれば、普段忙しい中でキャリアを考えるきっかけにもなりますし、それまでに実績を上げようと仕事にも熱が入ります。
社外に出るための準備をする
社内でしたいことが無くなったという状態であれば社外に出る準備をするのが良さそうです。
ぼくは社外に出る準備として、2年目の夏の異動を考えたタイミングで転職エージェントに登録しました。
具体的な行動は、転職エージェントに登録→面談する→キャリアを考える、ことでした。
当時は第三者的に転職エージェントからも現職で頑張った方が良いと言われました。
結果今のまま頑張るべきという判断になりましたが、納得感を持ってその後2年ほど頑張れました。
転職エージェントに登録すると今すぐに転職しないといけないとか思うかもしれませんが、全くそんなことなく将来のキャリアを相談できるプロとして活用してみてはどうでしょうか。
おすすめの転職エージェント
リクルートエージェント:初めて登録したエージェントです。言わずと知れた最大手。案件数が最も多い会社なので未経験でも挑戦できる会社は見つかる可能性が高いので迷ったらここから申込するといいです。
doda:大手企業の求人も多いです。銀行員からの転職者も良く使っている印象です。
マイナビエージェント: リクルートに次ぐ大手。若手の転職支援が強いです。上記二つに加えて申込しておくといいです。
5社も6社も登録する必要はなく、迷ったら上記3つを上から順番に見ていくといいと思います。
ぼくも使いましたし、銀行員の友人も使っていました。
銀行員からスタートアップベンチャーへの転職
銀行員からの転職先で、スタートアップベンチャー、特にフィンテック系の会社に転職するケースが多いようです。
ぼくのいる株式会社MFSもフィンテックスタートアップベンチャーになります。
他には上場しましたが、Freeeやマネーフォワードなども大手フィンテック企業になります。
銀行員からスタートアップベンチャーに行くことは向き不向きもあると思っています。
銀行員からスタートアップベンチャーへの転職が向く人向かない人はこちらに詳しくまとめています。
参考>>【銀行員でも】スタートアップベンチャーに向く人向かない人【体験談】
元々安定志向で入っている人も多いため適性がありそうか見た方が無難です。
もしぼくのいるMFSにご興味あればこのブログにお問い合わせをくださっても大丈夫です。
まとめ 銀行就職は慎重に
今回は、もし新卒に戻ったとして再度銀行に就職するかどうか、に関して記事をお届けしました。
元々は大手で安定的な業界というイメージのあった銀行。
それも大きく変わろうとしています。
これから銀行に就職したい、転職しようと思っている人にとって少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございました。