銀行員になると資格取得に明け暮れることになりますが、その中で避けて通ることができない資格の一つに銀行業務検定(以下銀検)があります。
銀検は36種類あり、その中の3級シリーズで税務3級、法務3級、財務3級は銀行によっては全ての取得が必須です。
今回は、税務3級の難易度ってどのくらい?法人、個人でも銀行員の実務で税金の話をするので有利に取れる資格、という記事をお届けします。
銀行員が課長まで出世するのに約10個程度の資格取得が必要でして、どういう資格が必要なのかはこちらの記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧になってみてください。
参考>>銀行員は課長まで出世するのに資格を何個取る?答えは10個以上です
目次
税務3級とは
税務3級に関して簡単にお届けします。
得意先・渉外係等に必要とされる所得税や相続税・贈与税を中心とする基本的な税務知識について、その習得程度を測定します。
引用:経済法令研究会
要は、銀行の個人、法人顧客に活きる基本的な税務知識を身に付ける資格です。
銀検3級では法務、税務、財務、と3種類すべて取得を言われる銀行とそうでない場合もあるのでご自身のキャリアと相談して受けるといいと思います。
なお、銀行員の出世事情に関してはこちらに詳しくまとめています。
参考>>銀行員の出世道(キャリアアップ)|有望な人は2店目からいいとこ行ってます
税務3級の難易度
税務3級の難易度は、他の銀検の3級資格としてある財務、税務とそこまで変わりません。
税務3級においては法人担当でも個人担当でも税金に関する相談を受けることも多いためその知識を元に活かせることもあるため他の銀検3級よりも得意な銀行員は多いかもしれません。
税務3級に落ちた時
税務3級に落ちた場合は、別日程で再受験ができます。
税務3級に関しては通常6月・10月の年2回実施しています。
銀検は通常年2回は開催されるため、3級がだめでも2級の飛び級が可能です。
万が一落とした場合には、ほぼ上司に怒られますが資格を落とした、資格が取れない時には下記記事が参考になります。
参考>>銀行員だけど、資格が取れない|対処方法は実績か愛嬌でカバー
CBT税務3級なら何度でも気軽に受験可能
コロナウイルスの影響からか、会場に集まってマークシート形式の試験だけでなく今はCBT方式による受験も可能になっています。CBT方式とは、就活時期に受けたようなパソコンで受ける試験の方法を指します。
試験会場での受験とCBT方式による受験の大きな違いは見られなかったですが、法務3級がどうしても必要で大きなこだわりがないのであればCBTの方がパソコンで気軽に受けられる感じがあり個人的に良いと思います。
試験の予約はマイページから3日以後の日程を予約することができます。
なお、CBT方式であれば試験終了と共に結果が開示されます。
税務3級の試験内容
税務3級の試験内容はこちらです。
- 所得税:20問
- 相続税・贈与税:18問
- 法人税:7問
- その他の税金:5問
法人、個人に関する税務に関する試験内容になります。
法人担当であれば、所得税と法人税の27問が、個人担当であれば相続税・贈与税の18問が得意領域になります。
なお、試験の方式は試験会場にてマークシート形式にて実施されます。
税務3級は財務3級と同様に実務には多少活きやすい
銀件の中でも、税務3級に関しては法人、個人にバランスよく税金に関する知識に役立ちます。
役立つでいうと財務3級は個人には活きにくいですが財務分析は法人では活かしやすいです。
一方で、法務3級を受けることで実務上で役立つことは法務部などでない限りは活きるケースは少なめです。
実質お客様への税金上のアドバイスの深入りは税理士でないとできませんが、お客様の税金上の悩みは銀行員をしていると必ず遭遇するので実用性は割とあるように思います。
税務3級の合格点
税務3級の合格点は30点以上の得点で合格になります。
要は、満点の60%以上得点するように勉強を進めていきましょう。
税務3級の問題数と試験時間
税務3級の問題数はこちらです。
- 選択式問題:50問(150分)
選択式問題が50問で150分の試験をマークシート形式で回答していくことになります。
試験終了10分前までは終了すれば途中退席も可能です。
税務3級が受けられるタイミング
税務3級の試験が受けられるタイミングは年2回の3月と10月開催になります。
試験会場は全国の主要都市です。
年に2回受けることができますが、銀行員だと何かと取得を義務付けられる銀行業務検定の試験と他の試験も被ることがあります。
ダブル受験では、財務3級と受けることが可能です。
銀行業務検定(銀検) のダブル受験
ダブル受験に関しては財務と一緒に受けることが可能です。
財務と税務は銀行員にとってはまだ得意領域になろうかと思いますが、確実に合格を狙うなら1個だけの受験がおすすめです。
ダブル受験のリスク
ぼくは過去銀検のダブル受験を経験しています。
具体的には信託実務3級と法務3級のダブル受験を経験しました。
結果的には、法務3級は落ちました。
というのも、法務3級は最悪落としてもいいかと思っており信託実務3級を落とした時のリスクを考えると勉強の身の入り方が全く異なりました。
ダブル受験に関しては、一気に進められるので受かればいいですが両方落とすケースもあります。
確実に合格を狙いに行くのであれば1個だけ受けるのも手です。
税務3級の試験料
税務3級の試験料はこちらです。
- 5,500円(税込み)
銀行振り込みにて対応をしてくれます。受験料ですが、過去は4,400円でしたが直近の物価高によって上昇している傾向にあります。正しい受験料はHPより確認するようにしてください。
税務3級の合格率
税務3級の合格率は約35%程度と言われています。
他の銀検3級も合格率は35~40%程度なので水準としては同程度です。
ただ、銀行勤務において法人でも個人でもおおよそ30%程度は業務でも関係のある税金に関して業務を行っているので法務よりは有利かと思います。
勉強なしは間違いなく落ちる
いくら業務に関係しやすい税務とはいえ、勉強なしではさすがに落ちます。
銀検は勉強していても、要領を得ていないと落ちる人は落ちます。
一発で合格するように勉強しましょう。
税務3級の勉強時間の目安
税務3級の勉強時間の目安ですが、新卒の方は合計40時間程度で、それ以外の個人、法人担当者であれば25~30時間、試験の1か月くらい前から勉強する程度で合格はできそうです。
不安であればもう更に5~10時間程度、1週間後ろ倒しにして勉強すればいいと思います。
税務3級の勉強方法
税務3級の勉強方法ですが、独学でテキスト勉強と過去問演習のみでOKです。
資格取得のためにスクールに通う必要は全く不要で、そもそも銀行業務検定に関するスクールはありません。
今後、資格取得の為にスクールを強いて使うのであればオンスクがおすすめです。もしオンスクを活用するのであれば、例えば銀行員が出世の為に取得することになるであろうFP2級や宅建と一緒に勉強するなど、他の資格も見据えて申込をするのが良いでしょう。
勉強方法としては、こちらです。
テキスト、過去問を使った具体的な勉強方法は、
- 一通り過去問を解く
- 過去問で間違っていたところの問題解説をわかるまでやる
- その時にテキストに戻って見直す
- 見直すだけでなく、なぜ間違えたのかをしっかり紙に書いて理解する
- 再度問題を解きなおす
- 以下2~5の作業を延々繰り返す
地道にこのようにしていって解ける問題を減らしていくのが方法です。
税務3級の問題集と過去問
税務3級の問題集と過去問はこちらを使っていました。
過去問題はテキストに載っています。
最新版を購入するのが理想ではありますが、先輩が問題集や過去問を持っているケースも多いので譲り受けるのがいいかと思います。
それか、メルカリやブックオフなど中古で購入するでもいいかと思います。
税務3級の資格本はキンドルアンリミテッドにはないですが、ただ幅広く本資格に関する学習をするには持って来いのツールなので、セール期間に利用してみても良いかもしれません。
1冊本を買う価格で対象本が読み放題なのは読書好きの方からすると十分元は取れるでしょう。
ちなみにぼくは2ヶ月199円のときに申し込みをしましたが、読みたい本が多く十分お得に活用できています。
税務3級の合格後の流れ
税務3級に合格すると、合格証書が届きます。
合格後の登録などは特段個人ですることはないので、所属する会社の方針に従えば大丈夫です。
税務3級の求人
税務3級を保有することで有利になる求人は他の銀行への転職が多少有利になります。
具体的には、個人から法人、法人から個人への転職になりますがその意向であれば社内異動でも十分かもしれません。
思い切って転職するのであれば、現在金融機関勤務で地銀から都銀に転職したいなどに活かすことが可能です。
なお税務3級含め、資格取得を頑張っている銀行員が転職活動を行うのであれば、おすすめの転職エージェントはリクルートエージェント、ビズリーチ 、マイナビエージェントです。
ぼくの場合は転職するしない関わらず2年目からリクルートエージェントを利用しました。 本格的に転職活動を行ったときにはビズリーチを利用しました。
マイナビエージェント については、金融向けの転職支援が厚く銀行時代の同期後輩が良く利用していました。
リクルートエージェント :言わずと知れた最大手。案件数が最も多い会社なので未経験でも挑戦できる会社は見つかる可能性が高いので迷ったらここから申込するといいです。ぼくは新卒2年目から利用していました。
参考>>リクルートエージェントが実際に使ってみて推しだったので評判を書いときます|結局はエージェントとの相性による点は注意です
ビズリーチ : 他の転職エージェントが持っていないような役職、ポジション、待遇等を兼ね備えた求人をスカウトを通じて紹介してもらえます。最大97日間は有料プランも無料で利用できる点も魅力的です。新卒4年目に登録して非公開スカウトをいくつももらいました。
参考>>20代でビズリーチは活用できる? 年収600万円以上ない若手でも活用できるけど若すぎると厳しい
マイナビエージェント:若手の転職支援が強いです。特に金融出身者に頼もしい金融専門チームがあるため、銀行員含む金融機関の方は利用価値が高いです。
資格を取ったうえで、具体的にご自身の将来像を考える上でエージェントの力を借りると一人で悩むよりもはかどります。
ぼくは社会人2年目から転職エージェントを活用していましたが、今時点で転職するつもりはないけど、って方も相談することで今後のキャリアへの疑問が晴れることもあるため気軽に転職のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ 税務3級は実務経験から割と有利に取りやすい
今回は、税務3級の難易度ってどのくらい?法人、個人でも銀行員の実務で税金の話をするので有利に取れる資格、という記事をお届けしました。
税務3級は、誰でも受けることができる資格ですが原則は銀行員のための出世のための資格で取得するにも多少銀行の個人もしくは法人業務を経験しながら受ける方が効率的です。
税務、法務、財務の各3級で一つだけでいいのであれば税務か財務が実務に沿っているので受かりやすいと思います。
受験者35%程度は合格できる税務3級ですが、受験する際にはしっかり1度で合格できるように勉強を進めていきましょう。
銀検に落ちていいことはなく詰められて、業務に支障がでるだけで何もありません。
この記事が税務3級の難易度、合格率、勉強方法に関して少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございました。