年功序列が終わるとささやかれていますが、新卒採用時の年収をめぐって各社色々な動きを見せています。金融機関も年功序列で給与は上がっていき、総合職採用のメガバンク、メガ信託などであれば30歳以降に年収1,000万円に到達することも珍しくありません。
そんな中、三菱UFJ銀行が新卒年収1,000万円以上の可能性を示唆したのでこちらに関して記事にしていきたいと思います。
目次
三菱UFJ銀行の新卒年収1,000万円の話
2021年3月12日の日経新聞に下記内容の記事が出ていました。
三菱UFJ銀行は2022年春の新卒採用の一部に、能力に応じて給与が決まる仕組みを導入する。デジタル技術などの専門人材が対象で年収は大卒1年目から1000万円以上になる可能性がある。
日経新聞電子版 三菱UFJ銀行、新卒年収1000万円も デジタル人材を確保
いわゆる、エリートコースを歩んでいくような本部コース人材が新卒年収1,000万円になるというわけではなく、デジタル人材が対象になるということです。別の記事で銀行員のスキルは変わってきたということを書きましたが、ここでいうデジタル人材はおそらくプログラマーであること(フロント、バックエンド)であろうと想定します。
新卒時に能力があるかを判定することで、一律300万円台の横並びの年収を撤廃して差分を持たし新卒採用に弾みをかけたいことにあります。仕組みは素晴らしいのではないかと思います。
参考>>銀行員の年収はどのくらい?高給取りのイメージがあるけど実態を解説【今後は副業もしていく時代に?】
デジタル人材が敢えて銀行を選ぶのか
ぼくは銀行からフィンテック企業のMFS(モゲチェック運営)に転職しましたが、銀行員時代も、やめてから見る銀行でもデジタル人材にあったことはほとんどないように思います。つまり、デジタル人材がいなければ、彼らを評価できる人もいないのでは、ということが個人の感想です。
また、そういった人物が銀行をあえて選んでサービス開発をするかというと、フィンテック企業やなどに入社して年収はそこそこに、年収以上に良いサービスをできる人と共に開発していける環境を選ぶのではないかと思ったりもします。
年収を上げる方法は多様化している
年々収入を上げるための方法は多様化しているように感じます。これまでは、いかに良い大学を出て、良い会社に入社をしてエスカレーター式に年収を上げていくかで生涯年収はおおよそ決まっていました。
今ではSNSを活用してファンを集めて収益化する若者は増えていますし(もちろんそういう人が目立っている点はありますが)、副業が認められる会社も増えてきています。
2020年3月以降のコロナの影響によりリモートワークが始まった会社も多いのではないでしょうか。リモートワークができるということは、移動時間はないのでその空き時間を使って収入を上げるための何かをする時間もできるということです。
もちろん、積立NISAなどを筆頭に資産運用をしても良いということです。
つまり、理想としては本業で年収1,000万円をもらえることは今でもありますが、一方で副業や資産運用によって年収を上げる方法はたくさんあるということです。
激務で高年収とほとほどの職場環境
銀行員時代を振り返ると、なかなかに忙しかったように思います。2年目中盤までは3ヶ月に一回は何らかの資格試験がありましたし、普段のノルマにも追われて勤務時間は8時-20時はザラでした。しかも寮で住む場所は制限されており、通勤時間は往復2時間でした。
その上、年収も若手ゆえに取り立てて高いわけではなかったです。
年収数千万円を超える高給人材の多くは、朝から深夜まで猛烈に仕事をすることが多く、自分の時間を持てることは少ないのではと思います。仕事が大好きで、その生活が理想であれば良いでしょうが、そうでない場合は別の選択肢もあることを知っていても良いと思います。
ほどほどの職場環境で年収は高くはないものの、自分の時間がしっかり持てるため副業することもできるし趣味の時間に充てることもできる、こんな生活でも良いわけです。
年収だけでなく何をしていくか
年収を上げる方法に新卒の会社が大企業である必要性は少なくなっている以上、年収だけを指標とするのではなく何をしていくかが重要ではないでしょうか。例えば今回の三菱UFJの事例を元に言うと、三菱UFJの母体だからこそできることもあるわけで年収が高いこと以上に成し遂げられそうなことがあれば進む選択肢になります。
一方で、会社員としての年収は少ないものの、副業で始めたアプリがうまく軌道に行ってそっちで年収1,000を超えてしまった、なんてことも十分にあり得ます。
新卒で入った会社で何をしていき、どのようなスキルを身につけて将来何を成し遂げていきたいのかは日々考えて過ごしたいものです。
まとめ 新卒1,000万円は魅力であるが実際に選択するのはそれ以外の要素になるのでは
今回は、三菱UFJ銀行が新卒年収1,000万円以上の可能性を示唆したのでこちらに関して記事にしていきました。
新卒年収1,000万円は就活生からすると引きも強いですし、金額としても魅力的ですね。ただ、年収1,000万円に到達する方法が多種多様あるため、実際にその会社に就職したいかどうかは年収の高さは一要素に過ぎないのではないでしょうか。
年収が高くとも、激務すぎて自分の時間が取れないのであれば何の為にお金を稼いでいるのかということにもなります。新卒時点で将来を決めきれるものでもないですが、とはいえ直近2,3年くらいはどうしていって、どのようなことをしていきたいかは考えておくと良いでしょう。