資産形成コンサルタントの難易度は?合格率の推移と勉強時間を解説

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資産形成コンサルタントは、日本証券アナリスト協会が2024年3月に始めた資格です。勤務先から受験を勧められたものの、新しい資格なので難易度や勉強時間の情報が少なく、どれくらい準備すればよいか迷う方もいるのではないでしょうか。

先にお伝えすると、公式に公表されている合格率は、2024年度上期の85.3%から2026年度上期は64.6%まで下がっています。協会はFAQで難易度をFP2級+αと説明しており、始まったころの合格率だけを見て軽く考えないほうが安全です。

この記事では、公式の受験データをもとに、資産形成コンサルタントの難易度・合格率・勉強時間・試験概要を、元銀行員の視点で解説します。

資産形成コンサルタントとはどんな資格か

項目内容(2026年10月時点の公式案内)
実施団体日本証券アナリスト協会
試験方式コンピュータ試験(四肢択一)、全国300か所余りの会場で毎日受験可(年末年始を除く、予約制)
試験時間・問題数90分・40問
合格基準正答率6割程度
合格率64.6%(2026年度上期)
受験料(税込)一般9,900円、会員割引8,910円、学生割引7,920円
受験資格なし(どなたでも受験可)
合格者の学習時間回答者の68.9%が20時間以内(合格者アンケート、1,325名回答)
資格の更新なし(継続費用・年会費もなし)

資産形成コンサルタントは、金融機関で顧客から資産形成・運用の相談を受ける職員を主な対象にした民間資格です。顧客のゴールを踏まえたポートフォリオの提案に必要な知識を学ぶことを目的としています。

協会は、資産形成コンサルタントの開始を機に、証券アナリスト基礎講座の一般向けの受講申込み受付を2024年6月30日で終了しました(大学等で基礎講座テキストを使う講義の履修者は2025年3月31日まで)。基礎講座の受講を考えていた方にとっては、同じ協会が実施する近い分野の資格になります。

公式に示されている試験内容は次の5つです。

  1. 顧客本位の営業の心構えと枠組み
  2. 資産運用の基礎
  3. ポートフォリオ理論
  4. 証券投資の知識
  5. ケース・スタディ

学習内容には、ゴールベース資産管理、アセット・アロケーションとアセット・ロケーション(税制を含む)、資本資産評価モデル(CAPM)、株式・債券・外国証券・投資信託などが含まれます。

申込みは、試験を運営する(株)シー・ビー・ティ・ソリューションズのサイトから行います。詳細は日本証券アナリスト協会の資産形成コンサルタント 試験申込で確認できます。

なお、銀行業務検定の資産形成アドバイザー(旧・預かり資産アドバイザー)は名前が似ていますが、実施団体も試験も別物です。銀行業務検定のほうを調べている方は、資産形成アドバイザー2級の記事をご覧ください。

関連:証券アナリスト基礎講座の難易度は?難しすぎる箇所と受付終了の注意点

資産形成コンサルタントの難易度と合格率

資産形成コンサルタントは、協会が合格率と平均点を半期ごとに公表しています。始まった当初は8割を超えていましたが、直近は6割台まで下がっています。

期間受験者数合格者数合格率平均点
2024年度上期3,845名3,279名85.3%73.3点
2024年度下期2,268名1,606名70.8%66.4点
2025年度上期1,595名1,137名71.3%66.2点
2025年度下期1,390名947名68.1%64.9点
2026年度上期6,047名3,907名64.6%64.2点

2026年度上期は、受験者数が前の期の4倍を超える6,047名に増え、合格率は64.6%でした。合格率が下がっている理由は公式には示されていません。ただ、受験者の3人に1人程度が不合格になっている計算なので、対策なしで受かる試験とは考えないほうが安全です。

難易度について、協会のFAQは次のように説明しています。

  • FP資格との比較:FP2級+αのイメージ
  • 証券外務員との比較:外務員が基礎編、資産形成コンサルタントは実践編にあたり、難易度もやや高い

協会のFAQによると、資産形成コンサルタントはFP資格の金融資産運用の分野に焦点を当て、ゴールベース資産管理やポートフォリオ理論に一歩踏み込んだ内容です。FP2級が家計全般を幅広く扱うのに対し、運用の分野を深く問う点が+αにあたります。

銀行の個人営業では、投資信託の商品説明はできても、なぜこの配分を提案するのかを理論で説明する機会は意外と少ないものです。資産形成コンサルタントで問われるのは、まさにその部分です。外務員やFPを持っている方ほど、ポートフォリオ理論の章は新しく学ぶつもりで取り組んだほうがよいと思います。

資産形成コンサルタントとFP2級・証券外務員の違い

銀行員が持っていることの多いFP2級・証券外務員と比べると、資産形成コンサルタントの位置づけがわかりやすくなります。協会が公表する受験者アンケート(2024年3月〜2026年3月、9,616名回答、重複回答あり)では、受験前に取得済みの資格として、証券外務員が7,299名、FP2級・AFPが5,976名と多くを占めています。

項目証券外務員FP2級資産形成コンサルタント
区分日本証券業協会の資格試験国家資格(技能検定)日本証券アナリスト協会の民間資格
主な内容法令・規則、金融商品の基礎ライフプラン・保険・税金・不動産・相続など家計全般資産運用、ポートフォリオ理論、顧客への提案
協会FAQでの比較資産形成コンサルタントのほうがやや難しい資産形成コンサルタントはFP2級+α―

取る順番の目安は、業務で必要な証券外務員を先に取り、FP2級で家計全般の知識を固め、そのうえで資産形成コンサルタントで運用提案を深める流れです。なお、証券外務員は試験に合格しても、実際に販売・勧誘業務を行うには所属先を通じた外務員登録が別途必要です。勤務先が受験を指定している場合は、その方針を優先してください。

関連:証券外務員試験の難易度ってどのくらい?銀行員必須の試験のひとつ【一種と二種の違いも解説】

関連:FP2級の難易度ってどのくらい?金融出身者でも3級と比べ急に難易度上がります【合格率・勉強方法も解説】

資産形成コンサルタントの試験概要と申込方法

試験はコンピュータ試験で、全国300か所余りの会場から日時を選んで受験します。試験画面に表示される電卓を使えるため、計算問題も画面上で解きます。

申込みから合格までの流れは次のとおりです。

  1. (株)シー・ビー・ティ・ソリューションズのサイトでマイページを作成する
  2. 受験日と会場を選んで申し込む
  3. 試験会場でパソコンを使って受験する
  4. 試験後に合否が記載されたスコアレポートを受け取る

手続きはシー・ビー・ティ・ソリューションズのマイページで行い、日本証券アナリスト協会のマイページではできません。受験日の変更は受験日の3日前までなら可能ですが、申込み後のキャンセルと返金はできません。不合格の場合は、受験の翌日から再受験を申し込めます。

勤務先が協会の法人会員・法人賛助会員であれば、団体受験を利用できる場合があります。団体受験では受験料に10%の会員割引が適用されますが、1回の請求ごとに2,000円の手数料がかかります。受験チケットの有効期間は、入金確認後1年間です。会社経由で受ける場合は、人事・研修担当の案内を確認してください。

資産形成コンサルタントの勉強時間

協会が公表する合格者アンケート(2024年3月〜2026年3月、1,325名回答)では、合格までの学習時間は次のとおりです。

学習時間割合
10時間以内40.5%
10〜20時間28.4%
20〜30時間16.0%
30〜50時間9.6%
50時間以上5.5%

回答者1,325名のうち68.9%が20時間以内と回答しています。ただし、これは全合格者ではなくアンケートに回答した合格者の結果で、不合格だった方の学習時間は含まれていません。また、受験者の多くは証券外務員やFP2級をすでに持っている方です。

当サイトの目安としては、20〜30時間程度を見込んでおくと余裕を持って準備できます。合格者アンケートで30時間以内に収まった方が約85%いることが根拠です。金融商品の知識が少ない方や、ポートフォリオ理論に初めて触れる方は、30時間を超える前提で計画してください。1日1時間なら3〜4週間が目安です。

資産形成コンサルタントの勉強方法とテキスト

協会のFAQでは、試験対策はときわ総合サービス発行のテキストと問題集を反復学習することが基本とされています。テキストと問題集の購入は必須ではありませんが、演習にはこの問題集を使うのが基本になります。

教材価格(税込)補足
資産形成コンサルタント資格 テキスト4,400円ISBN 978-4-88786-092-6。初版第4刷について、2026年5月13日と6月17日に訂正が公表されている
資産形成コンサルタント資格試験 問題集2,640円ISBN 978-4-88786-093-3

テキストと問題集は、ときわ総合サービスのときわんブックストアや全国の書店、ネット通販で購入できます。2026年の訂正には、2027年からのこどもNISA(つみたて投資枠の対象年齢拡充)に関する追記も含まれています。

勉強は次の順番で進めると効率的です。

  1. テキストを一通り読み、全体像をつかむ
  2. 問題集を解き、間違えた問題に印をつける
  3. 間違えた論点をテキストで確認し、理由をメモする
  4. 印をつけた問題を中心に、問題集を繰り返す

特に時間がかかりやすいのは、ポートフォリオ理論とCAPMです。期待リターンやリスクの考え方は、言葉の暗記だけでは選択肢を絞りにくいため、テキストの図表と計算例を手を動かして確認しておくと安心です。

独学に不安がある場合は、協会のFAQで紹介されているeラーニング講座もあります。Gakken LEAPのShikaku Pass(シカクパス)と、アーティスソリューションズの資産形成コンサルタント資格対策講座です。

資産形成コンサルタントが向いている人・向いていない人

協会の受験者アンケート(2025年4月〜2026年3月)では、受験者の勤務先は証券会社が40.4%、地方銀行が39.2%、メガバンク・信託が9.5%でした(1,952名回答)。受験のきっかけは、所属企業の自己啓発資料が51.5%と半数を占めています(1,786名回答)。

向いているのは、次のような方です。

  • 銀行・証券で投資信託やファンドラップを提案している個人営業担当者
  • 証券外務員やFP2級を取った後、運用提案を深めたい方
  • 勤務先の自己啓発制度で受験を勧められている方

一方、向いていない可能性があるのは次のような方です。

  • 保険・税金・相続など家計全般の相談力を伸ばしたい方(FP2級やFP1級が合いやすい)
  • 運用会社のアナリストやファンドマネージャーを目指す方(CMAのほうが専門性を示しやすい)

資産形成コンサルタントの合格後の流れ

合格すると、受験日の翌日以降に、マイページから合格証のPDFをダウンロードできます。書面の合格証は発行されません。あわせて、オープンバッジの発行についてメールで案内が届きます。

名刺には、公益社団法人日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタントなどの称号やロゴマークを、事前申請なしで記載できます。資格継続要件や年会費はなく、一度合格すれば費用はかかりません。ただし、協会は将来、試験の実施方法や合格基準を変更する場合があると案内しています。

資産形成コンサルタントを銀行員のキャリアに活かす

資産形成コンサルタントは、資格単体で転職市場の評価が大きく変わるものではありません。ただ、投資信託やファンドラップの提案実績と組み合わせると、運用提案の知識を体系的に学んだことを示す材料になります。

転職を考える場合は、資格名だけでなく、どんな顧客にどのような配分を提案し、どう説明したかを話せるよう整理しておくと伝わりやすくなります。

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まとめ

資産形成コンサルタントは、受験資格がなく、90分・40問のコンピュータ試験で、正答率6割程度で合格できる資格です。協会の合格者アンケートでは、回答者1,325名のうち68.9%が20時間以内と回答していますが、合格率は2024年度上期の85.3%から2026年度上期の64.6%まで下がっています。

協会は難易度をFP2級+αと説明しています。証券外務員やFP2級を持っている方でも、ポートフォリオ理論とCAPMは新しく学ぶつもりで、公式のテキストと問題集を繰り返してから受験することをおすすめします。

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公式情報の確認先

本記事は2026年10月12日時点で、以下の公式情報を確認しています。

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