外貨建保険販売資格試験の難易度はどのくらい?比較的容易ですが外貨建て保険の販売に必須になった新設試験

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銀行員が支店配属で個人営業(リテール店)に配属された場合、保険商品の提案は日常的な業務のひとつです。中でも外貨建保険は、個人営業において重要な提案の選択肢になります。

2020年10月に試験が創設され、2022年4月1日からライセンス化(外貨建保険販売資格者登録制)が始まったことにより、外貨建保険販売資格試験に合格して販売資格者登録を行わないと、外貨建保険の販売ができなくなっています。

今回は、外貨建保険販売資格試験の難易度、試験内容、合格点、勉強方法について、銀行員向けに整理します。

生命保険募集人の一般課程試験よりは難易度が上がります。ただし、しっかり準備すれば合格できる試験です。重要なのは、この試験は単に外貨建保険を「売るための試験」ではなく、外貨建保険のリスクや費用を顧客に適切に説明するための試験だという点です。

外貨建保険販売資格試験とは

項目内容
試験名外貨建保険販売資格試験
実施団体生命保険協会
難易度一般課程より上、専門課程・変額よりは取り組みやすい
合格基準100点満点中70点以上
合格率公式には非公開
試験時間40分
受験方式CBT方式
受験可能回数年3回
注意点販売資格者登録には専門課程試験の合格等が必要

外貨建保険販売資格試験は、生命保険協会が主催する業界共通試験です。生命保険業界に約30年ぶりに新設された試験で、2020年10月から実施が始まりました。

試験創設の背景には、外貨建保険特有の為替変動リスクや金利変動リスクに関する説明不足により、顧客に不利益が生じるケースが増加したことがあります。2022年4月1日からはライセンス化(外貨建保険販売資格者登録制)が始まり、生命保険協会に登録のない募集人による外貨建保険の販売は認められなくなりました。

生命保険試験の体系と外貨建保険の位置づけ

銀行員が生命保険を販売するには、複数の試験を段階的に取得していく必要があります。外貨建保険販売資格試験はその中の一つです。

試験名位置づけ合格後にできること
一般課程試験最初に取得する基礎試験円建て終身保険など基本的な生命保険の販売
外貨建保険販売資格試験専門課程とあわせて取得・登録を進める試験登録後に外貨建保険の販売
専門課程試験一般課程合格後に取得幅広い生命保険の提案・ファイナンシャルプランニング
変額保険販売資格試験専門課程合格後に取得変額保険の販売

外貨建保険販売資格試験は、難易度でいうと一般課程より上、専門課程・変額よりは取り組みやすい部類です。ただし、外貨建保険を実際に販売するためには、試験合格だけでなく、専門課程試験の合格、業界共通カリキュラムによる研修の履修、販売資格者登録が必要です。受験順序や社内手続きは勤務先によって異なるため、所属会社の案内を確認しましょう。

外貨建保険販売資格試験の取得でできること

外貨建保険販売資格試験の取得でできることは、販売できる保険商品の幅が広がることです。生命保険募集人の一般課程だけでは、外貨建保険の販売資格者登録まで進めることはできません。

外貨建保険販売資格試験に合格し、必要な登録を行うことで、外貨建保険の販売が可能になります。外貨建保険は円建て商品より積立利率等が高く見える場合がある一方で、為替変動リスク、元本割れリスク、為替手数料、解約時の費用などを丁寧に説明する必要があります。提案の幅が広がる反面、説明責任も重くなる商品だと考えておきましょう。

外貨建保険販売資格試験の合格が求められる理由

生命保険において円建て終身保険が販売できれば最低限の提案は可能です。ただし、少しでも有利に資産を残したい、殖やしたいというニーズを持つ顧客には、円建て商品では金利が低く対応しきれないことがあります。そのような場面で外貨建保険が選択肢になります。

制度上の理由は、外貨建保険特有のリスクや費用を顧客に正しく説明できる募集人を育成することです。実務上も、外貨建保険は銀行の収益商品として位置づけられてきた面があり、販売担当者にはより丁寧な説明力とコンプライアンス意識が求められます。合格できなければ外貨建保険を扱えず、個人営業の業務に影響が出る試験です。

銀行員が課長まで出世するために取得が必要な資格については、こちらにまとめています。

参考:銀行員は課長まで出世するのに資格を何個取る?答えは10個以上です

外貨建保険販売資格試験の難易度

外貨建保険販売資格試験の難易度は、生命保険一般課程試験よりは上です。ただし、1週間程度の準備期間をしっかり取れば合格できる試験です。

試験名難易度感勉強時間の目安コメント
一般課程試験取り組みやすい5〜10時間程度生命保険販売の入口になる試験
外貨建保険販売資格試験一般課程よりは上10〜20時間程度外貨・為替・リスク説明の理解が必要
専門課程試験外貨建保険と同程度からやや上10〜20時間程度生命保険の提案力を広げる試験
変額保険販売資格試験外貨建保険より重く感じる人もいる10〜25時間程度運用・投資信託に近い論点が出る

生命保険の専門課程試験や変額保険販売資格試験と比べると、外貨建保険販売資格試験は取り組みやすい部類です。一般課程で保険の基礎を学んだ後に、外貨建保険特有の為替リスク、金利、費用、コンプライアンスを上乗せして学ぶ試験と考えるとイメージしやすいでしょう。

勉強すれば合格できる試験ですが、合格できなければ外貨建保険の販売ができなくなるため、個人営業担当者にとってはプレッシャーのかかる試験でもあります。

外貨建保険販売資格試験の合格率

外貨建保険販売資格試験の合格率は、公式には開示されていません。生命保険協会のページでも具体的な数値は確認できないため、断定した合格率を示すことは難しい状況です。

インターネット上では80%前後という声も見かけますが、これは公式情報ではありません。数字だけを信じて油断するよりも、70点以上を安定して取れる準備ができているかを基準に受験判断することが現実的です。

合格率が公表されていないからといって必要以上に構える試験ではありませんが、一夜漬けや無対策での受験は不合格のリスクがあります。しっかりと準備して臨みましょう。

外貨建保険販売資格試験に落ちた場合

外貨建保険販売資格試験に落ちた場合でも、再受験は可能です。試験は毎月開催されており、日程は合わせやすい状況です。

ただし、年間3回までの受験制限があります。合格できるまでの間は外貨建保険の販売ができなくなるため、業務に支障が出ます。3回の制限内で確実に合格できるよう、十分な準備をしてから受験しましょう。

外貨建保険販売資格試験の試験内容

外貨建保険販売資格試験の出題範囲は次のとおりです。

  1. 外貨に関する基礎知識
  2. 外貨建生命保険販売の背景
  3. 外貨建生命保険の概要
  4. 隣接業界の投資性金融商品
  5. 外貨建生命保険のコンプライアンス
  6. 外貨建生命保険の募集に係るリテラシー
  7. 約款

外貨保険の販売に関わる知識を体系的に問う試験です。経済学部出身など基礎的な経済知識があれば理解が進みやすい範囲もありますが、コンプライアンスや約款の内容は金融知識だけでは対応できない部分もあるため、公式テキストと勤務先の演習問題を通じて出題傾向に慣れておくことが大切です。

外貨建保険販売資格試験の合格点・問題数・配点

外貨建保険販売資格試験は100点満点で、70点以上が合格です。問題数は40問(小問)で、出題形式と配点は次のとおりです。

出題形式問題数配点小計
正しいものを1つ選ぶ問題8問各2.5点20点
誤っているものを1つ選ぶ問題8問各2.5点20点
文章に入る正しい語句を選ぶ問題4問各2.5点10点
語群から最も適切なものを選ぶ問題10問各3点30点
正誤を選ぶ問題10問各2点20点

合格基準が70点のため、苦手な出題形式がある場合は得意な領域で着実に得点を積み上げる戦略も取れます。ただし、特定の形式を完全に捨てるのはリスクが高いため、一通り対策しておくことをおすすめします。

外貨建保険販売資格試験の試験時間

外貨建保険販売資格試験の試験時間は40分です。40問を40分で解くため、1問あたり約1分が目安になります。

試験方式はCBT(Computer Based Testing)形式で、全国100〜150カ所のテストセンターにてコンピュータを使用して受験します。就活時のSPI試験と同様の形式です。

外貨建保険販売資格試験の受験料

外貨建保険販売資格試験の受験手数料は2,500円(税込)です。

銀行員の場合は、勤務先の銀行が申し込みを行うケースが多いです。受験料の負担が自己負担か会社負担かも勤務先の方針によって異なります。社内の資格取得案内や研修担当部署の通知を確認しておきましょう。

外貨建保険販売資格試験の受験申し込み手順

外貨建保険販売資格試験はCBT方式ですが、銀行員や保険代理店勤務者の場合は、勤務先・所属代理店経由で申し込むのが基本です。一般的な資格試験のように、誰でも自由に個人申込できる試験というより、生命保険募集人としての登録や所属会社の管理とセットで運用される試験と考えておきましょう。

申し込みの大まかな流れは次のとおりです。

  1. 勤務先・所属代理店から受験案内を受ける
  2. 受験要件や研修受講の有無を確認する
  3. CBT方式で受験する会場・日時を選ぶ
  4. 勤務先の案内に従って受験手数料の扱いを確認する
  5. 当日は本人確認書類を持参してテストセンターで受験する

外貨建保険を実際に販売するには、外貨建保険販売資格試験の合格だけでなく、専門課程試験の合格や研修の履修、販売資格者登録が必要です。受験の順番や社内手続きは勤務先によって異なるため、勤務先から専門課程試験と外貨建保険販売資格試験を続けて受けるよう案内された場合は、社内の案内に従って進めましょう。

外貨建保険販売資格試験の勉強時間の目安

外貨建保険販売資格試験の勉強時間の目安は、1週間程度(10〜20時間程度)が一つの基準です。金融知識のある銀行員であれば、この程度の準備で合格ラインに達しやすいでしょう。

一般課程試験を受験した直後であれば、保険の基礎知識が頭に入っている状態のため、外貨建保険特有の論点に絞って対策できます。時間が経って基礎知識が薄れている場合は、少し余裕をもって準備期間を設けることをおすすめします。

外貨建保険販売資格試験の勉強方法

外貨建保険販売資格試験は、公式テキストと勤務先から配布される研修資料を中心に対策しましょう。スクールや通信講座を利用する必要は基本的にありません。

勉強の進め方は次のとおりです。

  1. 公式テキストや社内研修資料を一通り読む
  2. 外貨、為替、費用、元本割れリスク、コンプライアンスの章を重点的に確認する
  3. 勤務先から配布される演習問題を解く
  4. 間違えた問題の根拠をテキストに戻って確認する
  5. なぜ間違えたのかを書き出して整理する
  6. 70点を安定して超えるまで演習を繰り返す

ネット上の過去問サイトを参考にする人もいますが、情報の正確性や著作権の観点には注意が必要です。基本は、生命保険協会のテキスト、勤務先の研修資料、社内で配布される演習問題を軸に進めるのが安全です。

外貨建保険販売資格試験の教材

外貨建保険販売資格試験には、生命保険協会の業界共通教育課程に対応したテキストがあります。銀行員の場合は、業界共通カリキュラムの研修や勤務先の資格取得案内とあわせて、必要な教材が案内されることが多いです。

2025年度以降は、業界共通教育課程試験等テキストのデジタルブック化に関する案内も出ています。どの年度の教材が出題範囲になるかは試験時期によって変わるため、古い資料だけで勉強せず、勤務先から案内された最新版の教材を使いましょう。

外貨建保険販売資格試験の合格後の流れ

CBT方式のため、試験終了後にその場で合否を確認できます。

合格後は、所属する会社経由で生命保険協会への販売資格者登録を行います。外貨建保険を実際に販売するためには、試験合格だけでなく、次の条件を満たす必要があります。

  • 生命保険専門課程試験の合格
  • 業界共通カリキュラムによる研修の履修
  • 生命保険協会への外貨建保険販売資格者登録

専門課程試験の合格は、外貨建保険の販売資格者登録に関わる重要な要件です。登録手続きは所属する会社が代行するケースがほとんどです。会社の方針に従って手続きを進めれば問題ありません。

履歴書にはどう書けばいい?

外貨建保険販売資格試験に合格している場合、履歴書や職務経歴書には正式名称と実施団体が伝わるように書くとよいです。たとえば「外貨建保険販売資格試験 合格(生命保険協会)」のように記載すると、採用担当者にも内容が伝わりやすくなります。

記載する場所書き方の例
履歴書の資格欄外貨建保険販売資格試験 合格(生命保険協会)
職務経歴書外貨建保険販売資格試験に合格し、外貨建保険の提案・リスク説明に従事
社内の資格報告外貨建保険販売資格試験

銀行や保険会社への転職で使う場合は、資格名だけを書くよりも、外貨建保険の販売経験や説明経験とセットで書く方が実務力を伝えやすいです。

外貨建保険販売資格試験は転職に役立つか?

外貨建保険販売資格試験の取得は、別の銀行や生命保険会社への転職で即戦力の期待値を示す材料になります。外貨建保険の販売経験と資格を持っていることで、保険商品の提案力があることを伝えやすくなります。

ただし、この資格単体で転職市場での評価が大きく変わるわけではありません。法務・財務・税務・FP・証券外務員などの主要資格と組み合わせることで、金融機関での実務力を総合的にアピールできるようになります。

資格取得を進めながら転職も視野に入れている場合は、早めに転職エージェントに登録して市場価値を把握しておくことをおすすめします。

参考:金融機関職員におすすめの転職エージェント5選

まとめ:外貨建保険販売資格試験は個人営業担当者には必須の資格

外貨建保険販売資格試験は、2020年10月に創設され、2022年4月1日からライセンス化された試験です。個人営業(リテール)担当の銀行員にとっては、外貨建保険の販売に必要な資格として実質的に取得必須になっています。

難易度は一般課程試験より上ですが、専門課程・変額と比べると取り組みやすい部類です。1週間程度の準備で合格を狙える試験であり、公式テキストと社内研修資料を中心に対策すれば十分対応できます。

一方で、外貨建保険は為替変動リスクや元本割れリスク、費用の説明が重要な商品です。試験に合格することだけを目的にせず、顧客に説明できる状態まで理解することが大切です。年間3回の受験制限があるため、余裕を持って準備してから受験しましょう。また、合格後に外貨建保険を実際に販売するには、専門課程試験の合格と研修の履修、生命保険協会への登録も必要になります。

参考にした公式情報

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