銀行員が転職を考えるとき、多くの人が最初に気になるのが年収の変化です。
銀行員が転職を考えるとき、多くの人が最初に気になるのが年収の変化です。
先にお伝えすると、転職後の年収は、どの業界に行くか・どんな条件で入るかによって大きく変わります。一律に上がるわけでも、下がるわけでもありません。
この記事では、業界別の年収変化の実態を、次の3パターンに整理して解説します。
- 上がりやすいケース
- 下がりやすいケース
- ほぼ変わらないケース
銀行員が転職後に年収がどう変わるか|早見表
まず全体像を把握しましょう。業界ごとの傾向を一覧にまとめました。
| 転職先 | 年収変化の傾向 | 変動の大きさ |
|---|---|---|
| 外資系金融・投資銀行 | 大きく上がりやすい | 大 |
| コンサルティング会社 | 上がりやすい | 中〜大 |
| IFA(独立系FA) | 成果次第で大きく変わる | 非常に大 |
| 証券会社(大手) | 銀行とほぼ同等〜やや上 | 中 |
| 不動産会社 | 仲介型は同等・投資型は上がる可能性 | 中 |
| 税理士法人・会計事務所 | 初年度は下がることが多い | 小〜中 |
| 保険代理店(歩合型) | 初期は下がり、成果次第で上がる | 大 |
| 大手保険会社(正社員) | ほぼ同等〜やや下 | 小 |
| 一般事業会社(経理・財務) | 下がることが多い | 中 |
| 公務員 | 下がることが多い | 中 |
この表はあくまで傾向の目安です。会社規模・経験・職種・成果によって個人差が大きいため、転職活動では個別の条件を必ず確認してください。
銀行員の今の年収を確認する
転職後の変化を考える前に、まず現在の年収水準を把握しておきましょう。
厚労省のjob tag(職業情報提供サイト)では、銀行・信用金庫の渉外担当の全国平均年収は約631万円とされています(job tag掲載の職業分類ベースの参考値)。
ただし、これは全体平均です。実際には勤務先の規模によって大きく差があります。
| 種別 | 一般的な傾向の目安 |
|---|---|
| メガバンク | 800万円超(中堅以上) |
| 地方銀行 | 550〜700万円前後 |
| 信用金庫 | 450〜600万円前後 |
| 信用組合 | 400〜550万円前後 |
この水準を基準に、転職後の年収変化を考えてみましょう。
銀行員の転職で年収が上がりやすいケース
転職で年収アップを狙いやすい3つの業界を紹介します。いずれも求められる条件や収入の変動幅が異なるため、順に見ていきましょう。
1. 外資系金融・投資銀行
外資系の銀行・証券・アセットマネジメントは、成果連動の報酬体系が多く、実力次第で銀行の2〜3倍以上になるケースもあります。
ただし、求められるスキルハードルが高く、英語力・専門性・実績がないと採用されにくいのが現実です。転職できた場合でも、年収は会社・ポジション・成果によって大きく変わります。
向いている人:英語が得意/ファイナンスの専門知識がある/成果主義の環境を望む
2. コンサルティング会社(金融・経営・M&A系)
銀行の法人担当経験がある人は、中小企業支援や財務コンサルの分野で即戦力として評価されやすいです。
コンサルへの転職で年収が上がりやすいのは、法人融資・事業性評価・M&A関連の経験がある場合です。一般的なリテール担当では、スタート時点では銀行とほぼ同水準になることもあります。
向いている人:法人営業・融資審査の経験がある/資料作成・プレゼンが得意
3. IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
顧客の預かり資産残高に連動した報酬体系で、顧客基盤を自分で構築できれば年収は大きく伸びます。
一方で、立ち上がり期は収入が不安定になることがある点は覚悟が必要です。
向いている人:銀行で個人資産運用・富裕層対応の経験がある/独立志向が強い
外資系金融・コンサル・IFAは年収の上振れ幅が大きい反面、銀行の固定給と成果報酬では収入の安定性がまったく異なる。銀行の看板で取れていた信頼を、転職後は自分で積み上げ直す必要がある点も押さえておきたい。
銀行員の転職で年収が下がりやすいケース
転職後に年収が下がりやすいケースを3つ整理します。安定性や働き方を重視した選択の場合も、下がり幅を事前に把握したうえで判断することが重要です。
1. 一般事業会社の経理・財務職
銀行の財務知識は評価されますが、事業会社の経理・財務職は間接部門として給与水準が銀行より低くなりやすい傾向があります。特に、未経験からの転職・地方勤務・役職手当を失うケースなどでは、条件次第で大きく下がることがあります。
ただし、大手事業会社への転職では安定性・ワークライフバランスの改善を重視した選択として納得している人も多いです。
向いている人:ノルマから解放された環境で腰を据えて働きたい/財務スキルを内部から活かしたい
2. 公務員
公務員は国家・地方・自治体規模・年齢・級によって給与水準の差が大きいため、一律には語れません。ただし、銀行員の給与水準と比較すると下がるケースもあり、特に若手〜中堅層では差が出やすい傾向があります。
向いている人:長期の安定と転勤コントロールを優先したい/地域に根ざして働きたい
3. 保険代理店(歩合型)・保険営業
固定給が低く歩合が主体の代理店型では、立ち上がり期の収入が下がることがあります。軌道に乗れば高収入になる可能性もありますが、会社形態(固定給併用型か完全歩合型か)・契約条件によって差が大きいため、入社条件を必ず確認することが重要です。
向いている人:コンサル型の提案営業が得意/成果で報酬を伸ばす覚悟がある
保険業界は稼げると聞いて転職する銀行員も多いが、銀行の固定給と代理店の歩合では収入の安定性がまったく異なる。転職前に数ヶ月分の生活防衛費を目安に確保しておくことをおすすめする。
銀行員の転職で年収がほぼ変わらないケース
転職先によっては、年収水準が現職とほぼ変わらないケースもあります。安定を保ちながら環境や仕事内容を変えたい方が検討しやすい選択肢です。
1. 証券会社(国内大手)
大手証券への転職は、銀行と近い水準での給与になるケースが多いです。業績・相場環境によって変動があります。
向いている人:マーケット業務や富裕層向け提案に関心がある/銀行と同水準の安定を保ちたい
2. 不動産会社(住宅仲介)
住宅仲介型の不動産会社は固定給+インセンティブ型が多く、成約件数次第で銀行と同等〜やや上になりやすいです。投資用不動産の営業に転職した場合はインセンティブが高く、上振れすることもあります。
向いている人:住宅ローンや担保融資の経験を活かしたい/宅建士の取得意欲がある
3. 税理士法人(スタート時点)
未経験かつ資格未保有で入社する場合、初年度は銀行より下がることがあります。一方で、資格取得や担当クライアントの増加に伴って年収が伸びる傾向があるため、長期目線で考える必要があります。
向いている人:税理士資格の取得を視野に入れている/中小企業の財務支援に関心がある
年収だけで転職先を選ばないほうがいい理由
転職後の満足度を聞くと、年収が下がっても銀行を辞めてよかったと感じる人もいます。よく挙げられる理由は次の通りです。
- ノルマや転勤のストレスから解放された
- 仕事の裁量や自由度が上がった
- やりがいのある業務に集中できるようになった
- ワークライフバランスが改善した
年収はあくまで条件の一つです。転職を検討するときは、希望年収とあわせて、働き方・やりがい・将来性も比較軸に入れることをおすすめします。
転職後の年収アップの可能性を高めるには
転職での年収交渉を有利に進めるには、次の2点が重要です。
1. 転職前に複数の求人を比較する
1社だけに絞って応募すると年収交渉の余地がなくなります。複数の求人を同時に進めることで、条件を比較しながら選択できます。
2. 金融機関に強いエージェントを使う
銀行員・金融機関職員の転職では、金融業界の求人に詳しいエージェントを使うことで、同じスキルでも提示条件が変わることがあります。
年収600万円以上を狙う方、外資・コンサルを検討している方はビズリーチも並行して登録するのがおすすめです。
転職後の年収を活かす次のステップ
転職で年収が上がった後、多くの人が後回しにしてしまうのが資産形成の設計です。年収が増えても生活水準を上げすぎると、手元に残るお金は変わりません。
金融機関で培った知識は、自分自身のお金の設計にもそのまま活かせます。
まとめ:銀行員の転職と年収の考え方
この記事で解説してきた内容を簡単に整理します。
- 転職後の年収は、どこへ行くか・どんな条件で入るか次第で大きく変わる
- 外資系・コンサル・IFAは上がりやすいが、ハードルや不安定さもある
- 保険代理店・事業会社経理・公務員は下がるケースが多い
- 年収だけでなく、働き方・やりがい・将来性もあわせて判断する
- 転職活動はまず自分の市場価値を知ることから始まる
関連記事
あわせて読んでおくと理解が深まる記事をまとめました。
